Thou knowest, Lord

(我らの心の秘密を知りたもう主よ)


  • 作曲:Henry Purcell・ヘンリー・パーセル(1659 ~1695)

    パーセルは8歳の頃から王室礼拝堂の少年聖歌隊員となり、
    聖歌隊長クックやハンフリーの指導を受け、
    この時期にチューダー朝の優れた作曲家である
    ファラント、タリス、バード、ギボンズらの作品を学び、
    またイタリア風の歌い手として名高いクックや、
    フランス音楽に直接触れてきたハンフリーを通して、
    ヨーロッパ大陸に隆盛していた新しい音楽様式を学びました。
    23歳の時、王室礼拝堂のオルガニストに就任、数多くのアンセムを作曲しました。
    教会音楽作品の中で大きな位置を占めている彼のアンセムには、
    合唱だけによるモテット様式のフル・アンセムと、
    伴奏楽器付きで独唱と合唱が交互にあらわれるヴォース・アンセムの2種があり、
    彼の約70曲のアンセムのうち、大部分は後者のヴォース・アンセムです。
    このアンセムは彼が35歳の時メアリー女王の葬儀に際し演奏されたものです。
    翌年の1695年11月21日、パーセルは36歳の若さでその生涯を閉じ、
    ウエストミンスターに葬られました。
    ダイアナ妃の葬儀でもこのアンセムが奉唱されたことは、私達の記憶にも新しいものです。

  • 歌詞:

    Thou knowest, Lord, the secrets of our hearts;
    shut not thy merciful ears to our prayer;
    but spare us, Lord most holy, O God most mighty,
    O holy and merciful Savioiur,
    thou most worthy Judge eternal. suffer us not,
    at our last hour, for any pains of death, to fall from thee. Amen

  • 邦訳:

    我らの心の秘密を知りたもう主よ、
    我らの祈りにあわれみの耳を閉じたもうなかれ。
    至聖なる主・いと強き神・聖にしてあわれみ深き救い主
    とこしえにいます正しきさばき主よ、
    我らを赦し、臨終のとき死のなやみのために主を離るることなからしめたまえ