Ave verum corpus

(尊き聖体を賛美する歌)





  • 作曲:ヴォルフガンク・アマデウス・モーツアルト(1756 ~1791)

    モーツアルトの生まれたザルツブルグは当時、ローマ教皇庁領、領主はカトリックの大司教、
    しかも父レオパルドは大司教宮廷の副楽長を務める敬虔なカトリック教徒であり、
    こうした環境のもとにモーツアルトは多数の教会音楽を書きました。
    ザルツブルク時代(1780年、24歳まで)には、大司教宮廷に仕える音楽家として、
    14曲のミサ、4曲のリタニア、2曲のヴェスペレといった大曲とともに、
    キリエ、オフェルトリウムなどミサの各部分、
    プロプリウム、モテット、ラテン語やドイツ語の教会リート、
    教会オルガン曲、教会ソナタ、教会カンタータなどを作曲しており、
    生涯の全作品の約1割が教会音楽のジャンルに属します。
    ウィーン時代(25歳以降)には、宗教的環境から離れてしまった為に、
    教会音楽は未完に終わった(ハ単調のミサ)、
    絶筆となり、弟子ジェスマイヤーの手で完成された(レクイエム)、
    そして35歳の短い生涯の最後の年に作られた、
    単純なホモフォニー様式の(アヴェ・ヴェルム・コルプス)の3曲しか作曲していません。
    これらはモーツアルト個人の信仰告白的色合いが濃い、
    敬虔で深い表情をたたえた優れた作品です。

  • 歌詞:

    Ave, ave, verum corpus,
    natum de Maria virgine, vere passum, i
    mmolatum in cruce pro homine,
    cuius latus perforatum unda fluxit et sanguine,
    esto nobis praegustatum, in mortis examine

  • 邦訳:

    幸いなるかな、おとめマリアより生まれ出た御体よ。
    人々のため、まことに苦しみを受け、十字架の上で犠牲となり、
    脇腹を刺し貫かれ、水と血とを流し給う。
    願わくは死の試練にあっても、われらにその御体を味わわせ給わんことを。